まっくろせかい - 零版

幻想的〝芸術解題〟集

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つのだじろう 『 虫 』

道徳に反する行ないをした人が痛い目にあうと、
「 ほら、バチが当たった 」 などと言われる。

小さな悪事を犯した者も、重大な犯罪の加害者も、同じようにそう言われる。

生きているあいだに何もなくても、
死んだら地獄に堕ちるなどと言われる。

「 良い人も悪い人も、死んだらみんな なんにも無くなって終わりだったら不公平だ 」
そう言って
「 だから地獄はある 」 などと平気で主張する人が時々いたりもする。

この世界が公平に創られているという保証なんてどこにもありやしないというのに。

しかし、こうしたある種の信念が、多くのホラー作品のテーマの根底にあることは言うまでもない。



昔読んだ つのだじろうの漫画で 『 虫 』 という話があった。

いつもいじめられている小学生が、鬱憤晴らしに虫を残酷なやり方で殺したりしていた。

するとある日、給食のパンの中に1匹の青虫が入っていた。
最初は誰かがいたずらしたのかとも思ったが、
次の日にはおかずの中に青虫が・・・。
そして、次の日もその次の日も・・・、給食に入っている青虫はどんどん増えてゆき、やがて自分の家で食べる食事にも青虫が現れるようになる。
しかも、家族や無関係の人たちには普通の食べ物としか見えず、青虫など見えやしないのだ。


そのうちとうとう食べ物全部が青虫になってしまい、
「 人間・・・食べなきゃ死んでしまうしな・・・ 」
彼は青虫を食べるようになる。
ブチュッ!と音がして、なんともいえない苦い青くさいニオイがして・・・。

「 食べなれてみると あんがいうまいものだよ 」

そう打ち明けたのは、中学生になってから。
彼のことを昔からいじめていた同級生に対してだった。
さらに彼は言う。青虫を食べるようになってから、気のせいか、体つきや行動も青虫に似てきたような気がする、と。



虫400b



この 『 虫 』 という古い作品は結構有名なものらしく、かつて多くの子供たちの心にトラウマを残し、今でもネット上のあちこちで話題にあがっているようだ。

物語のラストには、ちょっとしたドンデン返しもある。


食べ物が青虫に成り変わるというストーリーは、かなり奇抜で不気味なものだが、虫のほうもずいぶんと陰惨なやり方で祟ったものだ。

あなたが次にとる食事が、いつもと変わりないものであることを願ってやみません。




● 『 虫 』 は、少年チャンピオン・コミックス つのだじろう 『 亡霊学級 』 (初版は1974年)、および 秋田文庫 つのだじろう 『 亡霊学級 』 に収録 ( いずれも発行は秋田書店 )。

● この記事は、 『 ねたろうのブログ 』 2014年12月8日付の記事 「 蟲ものホラー(その1) 」 を加筆修正のうえ、当ブログに転載したものです。



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  1. 2015/03/23(月) 00:58:00|
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